RE:あらかじめ失われた日記

珈琲や紅茶が好きなおっさんです。でも別に銘柄にはこだわりません、日東紅茶とネスレのポーションで十分。

古典としての和歌/西行法師

西行法師/何事のおわしますをば知らねども かたじけなさに涙こぼるる

 

私の宗教観を定めたような気がする、たいへん心安らぐ和歌である。神道八百万の神仏道にある身から、受け止めた大変趣深いうたなのだ。

同じく西行作として以下のものがある。

 

・願はくは花の下にて春死なむ その如月の望月のころ

 

このうたは私に死生観を与えてくれたうたのような気がする。

死というものが、恐ろしいものではなく、むしろ心に安寧をくれるものだと受け止めることができたと思う。

 

どう生きればいいか、どう死ねばいいか。

何かを得なくてはならないと、自分を追い立てることが如何に虚しいか、人生に怯えて立ち止まったままでいる自分に、心の開放を見せてくれた和歌のように思う。