信頼
嵐のような感情が、自身を揺り動かした時。
それは誰かにとって嬉しく、誰かにとって歓びである。
ときには暴風雨のように。また有る時にはアスファルトを揺らめかす夏の陽炎のように。
あなたにこの心が伝わりますように。そう祈って眠りにつくときもあるだろう。
信頼を得ることは愛を得ることに等しい。
信頼を失うことは愛を失うことそのものである。
失えば、それはヒンデンブルグの悲劇のように。
あるいは大気圏に落ちてたちまち焼失するデブリのように。
悪夢を見ているのだ、そう信じられたらよいのにね。
ほら、君の世界はすでに崩壊している。
誰もいない深山のその奥で、古木が朽ちて倒れたら、果たしてその音はしたのだろうか。
誰もいない部屋で信頼を失った君が倒れた音は、ほんとうに響いたのだろうか。
夢々おそれなさいませ。
その音が信頼ですから。