RE:あらかじめ失われた日記

珈琲や紅茶が好きなおっさんです。でも別に銘柄にはこだわりません、日東紅茶とネスレのポーションで十分。

[雑記]


日蝕の日、仕事から帰ってあまりにも所在がないので近所のペットショップに散歩に行った。
売られている犬猫を見るのは好きではないが、それでも一人で暗い部屋にいるよりはよかった。


大きなその店に入りしばらくウロウロしたあたりで、老婦人が一匹のパヒヨンを連れているのに気がついた。
犬はカートに乗せられて周りをせわしなく眺めている風だったが、瞳は両眼とも白く濁っていて見えるはずもないとすぐわかった。
よく見れば毛並みも艶はなく、ところどころ抜けて薄くなっている。相当の犬齢だと思われた。


買い物を終えて店員にもうおばあちゃんだからね、と話しながら老婦人は犬を撫でる。
白内障を患い、おそらく介護が必要であろう老犬は気持ちよさげに撫でられている。
その光景を見るとはなしに見ていると、やりきれないような、それでも幸せだと思うような言い難い気分になった。


ともに暮らすと言うことは。
いいものなのだろうな。