前々から思っていることがある。箸のことだ。
一般的に知られているわけでない割り箸は、特に人が手をかけて育つ立派な杉やナラ、ヒノキを使っているわけではない。倒木材や間伐材を使って箸に整形しているのだ。
しかし割り箸はエコでない、と主張する集団がいる。リターナブルな箸のほうがエコだと主張する連中だ。こうした連中の主張もある程度は汲み取ることができる。例えばプラ箸は繰り返しに使えるのだ、と主張する。それは良い。だがいまプラ箸を使っている店はどこも前々からの箸立てや、平置きできる蓋付きのケースで客が自由に触れるものがせいぜいだろう。平置きは蓋がついていればホコリ等には良いかもしれない。だがプラ箸の滅菌は、高温で洗浄し、客が求めるまで紫外線滅菌ケースに入れておくことが前提条件だ。そのためには大きな先行投資が必要なのだ。
いい加減な洗浄、簡便な乾燥、客が自由に取り出せる箸置き。
そんなものより割り箸のほうがよほどいい。
