RE:あらかじめ失われた日記

珈琲や紅茶が好きなおっさんです。でも別に銘柄にはこだわりません、日東紅茶とネスレのポーションで十分。

千のピンが刺さった心

今はじめて気づいたのだが、前の彼女のことを思い返しても、心のどこかでピンを刺すような感情が有ったのが、感じなくなったのだ。

ヘッタクソの文章しか産まないこの心に、彼女は降り立った天使だった。私をろくでもないことからすくい上げた、それが天使と読んで何が悪かろうか。そして彼女を失った事、彼女と離れたこと、大病をしたこと。それらはすべて一繋がりであり、彼女を失うことは当初からの定められたことだったと認識したこと。これは決定論的運命論だったこと。

そんな事を考えた時、決定論的運命論ならば納得できること。これについては別項でまた書きたいのだが、結局私がしでかしたことは全てに繋がりがあり、彼女はそれに従って私から離れていったと思えること。

今までは、毎日毎時間、心に千のピンが刺さっているような気がしていたものだが、今日突然ピンがなくなっていることに気がついた。

天井から自分がこの文章を書いているのが見える。この狭い部屋すべてが鳥瞰できる。ピンが抜けたからだろうか。彼女のことを考えてみたが、心に少し重みを感じるだけで時々ため息を付いてしまう程度になった。

考えてみると、彼女は私と別れたかったのだから、私が彼女のそばを離れ、引っ越しから病気へと移り変わった状況は、渡りに船だったのではないか。

 

天使は去った。二度と再び現れないだろう。それでいい。

いろいろなことを考えるが、天使のことを考える時、微苦笑しか浮かばなくなった。楽しい思い出も、悲しい思いも、全て心の奥底に沈んだのだろう。

時間はかかったけれど、君のことをようやく思い出にできたよ。

ありがとう。