RE:あらかじめ失われた日記

珈琲や紅茶が好きなおっさんです。でも別に銘柄にはこだわりません、日東紅茶とネスレのポーションで十分。

小人閑居して不善を為す

前の彼女と付き合いだしてから、この格言が脳裏をよぎることが多くなったのを覚えている。そしてそれは離婚を迎えたあとも、心を焼き焦がす心持ちだった。どうせ彼女とは結婚などできないのだから…そう自分を慰めることも多々有った。自分が小人であることを認めたくなかったのだ。

だが取り巻く環境は自分が小人であり、歪曲した人生を送っていることを認識するのに、大した時間はかからなかった。その事実に目をつぶることも。

 

20年来の友達、妻子、仕事…すべて失っていながら、彼女にはそれを悔やんだり、泣き言を言ったことはなかった。すればそこで関係は終わると思ったからだ。

しかし結局彼女とは破局した。

私の努力、努力と言えるのならばだが、全ては無に帰した。そして私は鬱で病人と化した。

 

全ては無駄。意味は無い。人生には何の意味もないのだ。

あるのは価値だけ。価値だけが、人生を輝かせる。彼女といた年月はすばらしい10年だった。

その次の10年は悪夢の鬱状態だった。大病をし、けれど生還して、それも価値あるものだったと認識できた。

ドブ川のヘドロに時々光り輝く宝石が浮かび上がる。それが私の人生だ。