本を読む時、とても納得する言葉があると、それを突き詰めてしまう傾向がある。
前々から考えていたのだが、明快な答えがあると、それを眺め回してじっくりと鑑賞する癖だからだ。
例えばこんな気づきを与えてくれた小説があった。
入院中、暇なのでついつい何度も何度も、読みふけってしまう。スルメイカのごとく、ガシガシ噛んでは旨味が出てくるので、飽きが来なかった。
主人公の考え方は自分がちっぽけな、しかし世界と相克する情念の男として描かれている。
まあ、そのへんはリンク先で読んでもらえるとありがたいのだが、とても影響されて、自分が納得できる事が多かった。
まあだいたい人生なるものには意味がない、同じく世界に意味はない。何が大事なのかと言えば、それは自他共に与えられる価値だという。
価値があるから人は己の、また他者の人生を大事にする。
価値がないことも一種の価値だと言える。ただ言えるのは、誇りと名誉を持って、価値をかざすことに意味があるのだ。
私は私の人生に意味を持つと思っていたけれど、それはちょっとした勘違いで、意味を価値に置き換えても十分機能することを知った。
そうなのだ。誰もその価値を考慮しなくても、自らの価値を貶めることはないのだ。生きていくにはそれで十分なのだ。
とか言いながら、そこまで悟れないよ。だめだねえ。