タイトルからひどいが、もっとひどくなるので先に謝っておきます。
もともと人生に大した執着はない。何かに打ち込んでもそれは価値を産まず、自分が高められるわけでもない。
好きなことを仕事にできた時期もあったが、結局それもあまり意味はなくて。気楽に生きているわけでもないが、悩みもない。
そんな人生だった。前の彼女と出会ったから軌道が狂った、と思うことも有るが、それは結局自分の選択だったし、最初はとても大事な、宝石のようなものだった。だから本当の価値はここにこそ有る、という確信があったのだ。
愚かしい。そしてその宝石を泥濘に投げ込んだのは、他ならぬ自分だったことも愚かとしか言いようがない。
生きていてため息しか出ないのはそのせいだ。自分が難病に罹ったのも、全ては自分の行いのバックファイヤーのようなものだ。いま、生きているのは退屈だ。自らを罰しながら生きているのは、本当に己が情けなくなる。
何か、なにかないだろうか。
私がもう一度輝ける事は。
だがそんな妄想は消え去る。長続きなどしない。
意味がないから。
私の人生に意味はなく、せっかく持ち得た人生という宝石は粉々に砕けて泥に溺れた。
そして私も静かに深みに沈む。そう、溺者は静かに沈むのだ。