胸元に薄紅の 貴方のかたちぞ残れり 唇に面映き 艶々の夜の香は今昔 徒らに時は流れ 便り無き花は枯れてゆく 言をなす人も無くに 水面にまたひとしずく 水色の玉響(たまゆら)ぞ 何故この身に幾度と 一人寝の寂しきに また衣を濡らす 文無きや文無きや 思い…
投げ捨てる 殴りつけ壊した傘を 引き裂いたマフラーを 片そでのジャケットを 蓋の開いた汚いバッグを まだまだ足りはしない メガネも 毟りとった髪も 千切りきれない耳も へし折った中指も 愚かな自分も 性の衝動もいらないな こんなものああ、ごめんなさい…
引用をストックしました
引用するにはまずログインしてください
引用をストックできませんでした。再度お試しください
限定公開記事のため引用できません。