RE:あらかじめ失われた日記

珈琲や紅茶が好きなおっさんです。でも別に銘柄にはこだわりません、日東紅茶とネスレのポーションで十分。

ジゴサタ-地獄の沙汰もお前しだい- 感想

楽しみにしていて、ようやく買えたのでいそいそと感想を書く。

 

舞台は地獄、主人公は刑吏、楽しい地獄嬉しい地獄、と亡者たちが責められているところ。ここまで書くとまあまあ似ている作品で鬼灯の冷徹などを思い出すが、ジゴサタはあんな甘いところではないのである。そもそもあっちはギャグだし。

こちらは亡者視点あり刑吏視点ありで、責められることがなぜかを問われるところが大きく違う。過ちを理解できるか、何故過てるのかを理解できない亡者は己の責を永遠に受け続ける。逆に理解できたから、自ら責め苦を求める亡者もいる。

刑吏も地獄に落ちる程度の軽微囚なのだが、選抜されて刑吏を勤めている。罪を償うための仕事として、刑吏は責め苦を負う亡者を見続ける、これもまた罪の産物なのだ。

いや、亡者たちはまだいいと思える。己の罪を背負い、その償いとして責め苦を耐えてさえいれば、いつかは…いつかは責め苦が終わることを望むことすら出来る。耐えきれるかは別だが。

刑吏たちも日々責めて罪を償わさせる事で、己の罪が開放されていく。だから終わりを考えることも出来る。だが、なまじそんな立場だからこそ刑吏は心を病む。耐えきれない刑吏たちは亡者に戻ることを望む。

地獄とはなんと恐ろしい場所であるのか。

 

ーこの門をくぐるもの一切の希望を捨てよ、と地獄の門には書いてあるらしい。それはすべてのものに等しく地獄を味合わさせる言葉なのだ。

 

唯一、亡者の首をはねる時にヘルッていう擬音が付くところが心の救いか。いや、そんなこともないか。