昔からラジオを聴くのが好きで、小学生の頃からよく聞いていた。
一番古い、けれど懐かしいのは、オールナイトニッポンを小学5年生辺りだったか、聞いていたことだった。
まだ自分のラジオを買ってもらえなくて、すごく欲しかったのだけれど、父親がダメの一点張りで仕方なく時々父のラジオを借りて聞いていた。あの当時はAM全盛だったので父のラジオも、もちろんAMだった。
一度だけ深夜放送を聞きたいと頼み込んで、聞いた放送がオールナイトニッポンだった。大石吾朗のコッキーポップを聴き、オールナイトニッポンを聴く。
こんなに楽しいことが有ったのかという気持ちでいっぱいだったが、父はそれ以降ラジオを貸してくれなかった。
ある時引っ越した先の家は結構間取りが有り、要りもしない応接間を備えていた。そこで父は別に趣味でもなかろうに、応接セットとオーディオセット(もちろんレコードの)を買ってきた。
で、私ははたと気がついた。
ベッドみたいだからソファで寝たいと言えば、家族に咎められずにオーディオセットで深夜ラジオを聞けるのではないかと。
計画は頭に当たり、渋々という顔で母親も許してくれた。父は興味がなさげだった。
深夜、家族が寝静まってからそっとオーディオの電源を入れてチューニングし、ヘッドホンなど無いのでスピーカーに耳をつけてかろうじて聞こえる程度の音量に絞る。そこで聞こえてきたのは自切俳人のオールナイトニッポンだった。トークも投稿もめちゃくちゃ面白くて、ホラーもあり笑いもありの、その放送日が待ち遠しくてワクワクしていたのを覚えている。
その後、なんとかラジカセを買ってもらい、エアチェックみたいなことを始めて、少ない小遣いでカセットテープを買いながら、いろいろな放送を聞いていた。アニメから嵩じて野沢那智と白石冬美のナッチャコパックも聴いたし、タモリのオールナイトニッポンでは投稿者がテープを継ぎ接ぎしてニュース(おもにNHK)をジョークに作り変えるのに笑いが堪えられなかった。タモリも脂が乗った笑いで、本当に好きだった。
ビートたけしの放送ではジャイアント馬場をネタにした投稿が好きで、これにも笑いが止まらなかった。たけしもほんとにおもしろくて。
いわゆるハガキ職人、すごいなあと感心したものである。
けれどそんな趣味も、中学を卒業するまでで、いろいろな変化で深夜放送も聞けなくなり、ホラー映画ファンとなってビデオを借りてくるようになると、ラジオ自体から足が遠のいた。
今となってはインターネットが私のラジオのような気がする。