ホラーのカテゴリなのかも知れないが、私には色んな作品のインスパイアがあるような気がして仕方ない。
あらすじは主人公の警官が血まみれのジャンキーを夜道で発見するところから始まる。火事騒ぎがあり廃棄寸前の病院で治療を受けさせていると、妻（元なのかも知れないが説明はない）が夜勤で看護師として働いている。連絡したくても無線は通じず何故か電話はつながらない。病院の外には変な頭巾をかぶった一団が取り囲んでいる。
何も説明がないままおかしな化け物に変異していく登場人物たち。刺されて死んだかと思ってたら、生き返って実は全ての陰謀の黒幕だった院長先生。ちょっとした説明もなく後付設定で進む物語。何が何だか分からないので、ホラーに分類するしか無いドラマ。
適当にグロい表現はあるものの、いにしえの遊星からの物体Xより数段おとなしい表現であるので、これなら初心者にも安心。
出だしから説明もなく進んでいくドラマの展開がルチオ・フルチっぽいなあと思っていたのだが、途中から遊星からの物体Xっぽいなと思い始め、刺されて死んだと思った院長先生が復活して言ってること（死は終わりではない、とかなんとか）から、これは仲間が誰もいない逆宇宙ハンターズであると思った。
侵食される身体、精神、世界。これはもう逆宇宙ではないか。
最後に重傷を負いながら、変異した院長もろとも別世界への扉を突き破った警官。場面が暗転すると化け物に改造され、警官にとどめを刺されたはずの妻が横におり、二人して見たことのない世界の荒野に立ち、天は荒れ狂って稲光を落とす。二人が見上げると巨大なピラミッドが見える…
これ黒富士のオマージュじゃん？
何でもそう見ようとしたら、見えちゃうよなあと思いつつ、それでも想いは止まらないのであった。
とりあえず明快な解決を求めたい人にはオススメしない。が、ホラーが好きで不条理が好きな人で、アマプラに入っているなら観ても良いかも知れない。
