日野日出志の才能を余すことなく描かれた作品。この作品もそうだが、作者に「なぜ?」を問うてはいけない。
蔵六の奇病しかり、呪われた赤ん坊が…(オリジナルカバー版)しかり、である。何も落ち度のない平凡な人々が、ある日突然奇病や環境に落とし込まれるさまは、背中に震えが走る。
そこには救いはないのか?最後には失われるにせよ、なにかしらその生きた証を求めることはできないのか?
愚問である。そんな問いは無駄であり、主人公の救いにはならない。
事実、死肉の男は海へと還り、海に抱かれて眠る。
このエンディングの描写はダイナミックプロの風忍が求めたものを思わせる。
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