RE:あらかじめ失われた日記

珈琲や紅茶が好きなおっさんです。でも別に銘柄にはこだわりません、日東紅茶とネスレのポーションで十分。

「三人のゴーストハンター」は小説すばるに連載されたとあとがきに書いてあった。
小説すばるって純文じゃなかったのか?
 
感想がなんだか味気なくて、これでは書く意味を喪失しかねないと危惧されたためちょっと書いてみる。
 
「三人のゴーストハンター」
競作ではなく共作という世界観の配置、またキャラクター相互の交流というか作品への取り込み方はさすが、と思わせる。それが、それぞれの持ち味を生かしてなおなのだ。懐かしいゴーストハントという道具立ても面白いし、それぞれの作品を伏線にしてみたり共通の登場人物の扱いでこうも変わるかと思わせた。
こうした作りであるからには、作品として多分にゲーム的であるところは仕方がないだろう。12話が所載されているが、オカルト否定論者の最終話がもっともよかったとおもう。
壬生義士伝 上巻」
この作品以外に読んだ事がないので、まったくその作風を知らないのだが、この語り口はすばらしい。数多くの脇役が主人公を語る形式になっていて、ほとんどは独白なのに、情景を鮮やかに描き出している。途切れることなく流れるストーリー、また人物描写の細やかさにページを繰る手が止まらなかった。
下巻が非常に楽しみである。