短歌を詠むことは、私にとって感情表現だ。それも小説のようにとにかく作れなければならない鉄条網がないことも理由の一つだ。小説は一旦書き始めると鉄条網をかいくぐり、匍匐前進を続けなければならない。
その点短歌は、草っぱらに寝転び、空を眺めているだけでいい。
もちろん風も吹けば雨も降る。けれど雨に濡れながらその時の気持ちを書けばいい。
だから、そういうのがいい。
くさはらに ねころびてそら あおぎみる くもながれゆく ゆうやけこやけ
草原に ねころびて空 仰ぎみる 雲流れ行く 夕焼け小焼け