amazon:性的唯幻論序説
まったくもってすばらしい。岸田先生の著作をもっと読もうと思いました。
正直言ってファンになったと思います。
素晴らしく一刀両断(意味不明)。
大変判りやすく「なるほど!」と手を打つような論理展開。
人間の生殖という本能的な部分は壊れている。
男はもともと不能だ。だから性行動は不能を克服するために、恋愛や性差別を元にしたさまざまな”幻想”を男、ひいては社会が持つ事によって文化として成立した。人類社会に性差別があるのはそれをもって性交へ向かわせるための種族保存の一方法であった、男の”強い性欲”も実は幻想であり、女性が性に対して消極的であると言うのもまた幻想である、そして人類にとって性交は趣味である。
面白くてスラスラ読めましたって言う感想がばかばかしくもつまらないものであると言うことは、重々承知しているのだけれどこの本に関しては、これはもう致し方なし。
目からうろこと言うかコンタクトレンズが落ちると言うか。
多少強引な部分は否めませんが、それでも人類の性文化がどのような経過をたどってきたのか、性の変遷がすなわち文化形成だと言う考察は、驚きです。
もうリスペクトしちゃいます(古いかなこれも)。
ただ、ちょっと唯一神又吉イエスのような所が感じられなくもないかなあ、という一抹の不安がある事は認めます。
でも先生、「わたしによれば」っていうのはちょっと強引じゃないですか…?