RE:あらかじめ失われた日記

珈琲や紅茶が好きなおっさんです。でも別に銘柄にはこだわりません、日東紅茶とネスレのポーションで十分。

読書

大戦前夜 ジョン・リンゴー

久しぶりに読書感想文。 昔同じようなプロットの小説を同人誌で書いていた人を知っているが、そういう意味ではありふれたシチュエーションの戦争小説であろう。 概略を言うと、恒星間戦争の侵略者に抵抗しきれない異星人連合から参戦要請を受けて、人類がオ…

クラムボンはかぷかぷ笑ったよ。

『クラムボンはわらつてゐたよ。』 『クラムボンはかぷかぷわらつたよ。』 『それならなぜクラムボンはわらつたの。』 『知らない。』 青空文庫 宮沢賢治/やまなし http://www.aozora.gr.jp/cards/000081/files/472.html 宮沢賢治/やまなし クラムボンの正体…

エターナルチャンピオン

amazon:永遠の戦士エルリック久しぶりにムアコック【この世の彼方の海】を読む。 地獄の侯爵の名前変更はなじめないな。叫んでいるシーンが間抜けて見える。 「一なる四者」、アガックとガガックとの戦い、観念的で面白かった。 スペクタクルには少々物足り…

メルキオールの惨劇/平川夢明

amazon:メルキオールの惨劇 作者は恐怖実話系の本では知っていたけれど、小説は初めて読む。 冒頭から乾いたエフェクトのシーンが続く。 他者の秘密を抉り出す主人公、しかし彼にも秘密はあって・・・というような メインストーリーに絡むようでいて何の関係も…

ここしばらくで読んだもの

クラッシャージョウ ワームウッドの幻獣 朝日ソノラマ文庫版。 amazon:ワームウッドの幻獣 懐かしいとしか言いようがない。 ジョウでは一度、OVA宣伝の仕事で関わったことがあった。 中学の頃からのつきあいになる。そう考えると長い。 最近のは読んでない作…

ショートソング

枡野 浩一原作/小手川 ゆあコミカライズのamazon:ショートソングと言うコミックを読む。これも感想は書いていないのだけど。いわゆる口語短歌を創作する、若い歌人たちを描いた話だ。面白いな、と思う。しかし時々、自分に投影してしまうのか、チクリチクリ…

近頃読んだ本

最近は感想も書いていないのでメモ程度だが書いておく。感想書かなきゃ、なあ。●朝日新聞社社会部編 「人が死ぬとき」朝日新聞で掲載された、死亡記事だけを集めた本。1998年発行。人は皆死ぬ。崇高であろうと、愚かであろうと。●関西文学会「関西文学」公式…

バロック・アナトミア/佐藤明

以前にこのブログで都築響一amazon:「珍世界紀行-lordsideEUROPE-」という本の感想を書いた。大分前のことだ。その中に、ラ・スペコラ博物館を紹介していた章があり、非常に興味深かった思い出がある。その他の博物館も合わせて紹介されていたので、写真の量…

零式/海猫沢めろん

ときどき息をするのも大儀いときがある。そんな時は何も救いはない。何を見ても何をしても、頭にかかった靄からは逃れられない。死んだ猫のように横たわって、日差しにあぶられ汗を流しても、息苦しいほどの倦怠が夏の熱せられた空気といっしょに肺を満たす…

海の底 /有川浩

amazon:海の底-有川浩 今ごろになって読了。しかし、噂にたがわぬものでした。オタク向けの読みやすさ判りやすさ、またよく練られた怪獣ネタと展開はなかなか、燃えるものがあります。キャラクターは明石警備部長と烏丸参事官がいいな。まあ、この二人のかけ…

あたたかい/ロバート・シェクリイ

amazon:「人間の手がまだ触れない」所収 この作品が好きだ。何とかしてこのお話の事を紹介したい、何を感じたかを書きたいと思うのだが、どう書いても埒の明かない読書感想文にしかならない。まあ、作品の初出が1953年、それから本邦ハヤカワSF文庫で1985年…

今日買った本

それは本当のこと。アークエンジェル・プロトコルライダ・モアハウス著何だかシリーズがすでにあるらしく、以下続刊とのこと。アメリカ私立探偵作家クラブ賞を受賞している。ふっむ、SF風味のV・I・ウォショースキーシリーズか?早く読もう。ラヴクラフトの…

コラプシウム

表紙買いしました。 amazon:コラプシウムしかし少女に見えるけど実はすご腕捜査官とか、なんか陳腐だな。コナンか。プリーツスカートでブレザーの学生服とかなんかスカウターみたいなモノクルしてるし。しかもそれを納得させられる材料がないよ。コラプシウ…

やっぱり

本とか創作にまつわる事書かないとだめなんだな。ここしばらくのアクセス数が物語っているのは、そういうことかも。飽きられたのなら、妥当な数字かも知れないと思ってみたり。しばらく前に千葉真市主演の角川版戦国自衛隊を観る機会があった。サニー千葉が…

最近買いました

新年のご挨拶をしたあと、更新せず済みませんでした。更新がなかなか出来なくて、外出先でも更新が出来たらなあ、とずっと思っておりました。ま、それとはあまり関係ないのですが。巷で、ないないないと,ずっと噂だったシャープのW−ZERO3をようやく買…

空中庭園/角田 光代

amazon:空中庭園/角田 光代この作品は、2002年11月に出版されたものを文庫化したものだ。第128回直木賞候補作にも上がったとのことだが、寡聞にして知らなかった。ヒューゴー賞とかネビュラ賞なら本の帯も気にするんだけれど、普段そういう賞を気にすること…

再読

ポール・アンダースン「大魔王作戦」前回ウィンダムの「海竜目覚める」を引き合いに出して、ちょっと読み返したいなと探し回ったらない。ああ、何処にやってしまったんだろう。もったいない。絶望的な英国の描写が読みたかったのに。また買うか。仕方がない…

ユリイカ 11月号

特集の文化系女子カタログを読む。取り立ててどうということはない視点の企画だ。文化系の文化系たる女性たちによって書かれた文章は、なぜか自分たちに向けられる奇異の視線を受け止めるのに費やされているように思う。その中で木村カナの「二十一世紀文学…

ブラック・ラグーン第4巻

待っていた、というと少し気恥ずかしいが、いつ出るのかと結構気を揉ませてくれた一冊。 この巻ではロシアン・マフィア「ホテル・モスクワ」が、ヤクザの抗争に相乗りして日本進出を図るという話が大半を占める。前巻までと変わりなく、脇役がバンバン死ぬし…

日記か雑談か読書

今回のタイトルは舞城王太郎のインスパイヤです。ネットっていやですね、すぐ流行に流される。自分も含めて。もちろん流行は社会の顕現でもあるので、重要なものなんです。わかっているんです。わかっているけど、いやだなぁ。流行を追う事が止められない。…

新魔界行

「えー、今日も今日とてブラック魔王の……」と野沢那智のナレーションが聞こえてきそうな滑り出しの一冊。魔界行、好きだったのにな。菊地秀行はデビュー当時から好きな作家である。朝日ソノラマの作家としては新世代に属するのではないか。いや、今またどん…

ファファード&グレイマウザー

amazon:ファファード&グレイマウザー 比較的時代がかったSFやファンタシーが好きだ。書かれた年代が古ければ古いほど味わい深く思う。一九六〇年代なんて、自分の生まれた頃に書かれた話などもう古臭いと思うのだけど、フリッツ・ライバーの「ファファード…

友がみな我よりえらく見える日は/上原隆

amazon:友がみな我よりえらく見える日はこの本は読むのがつらい。小説ではなく様々な人の淡々とした日常を描くドキュメンタリー、聞き書きなんだけれど。登場人物たちは、それぞれに日常の苦しみ、言い換えれば人生の谷間にいる。その谷間を抜け出ようとする…

性的唯幻論序説/岸田秀

amazon:性的唯幻論序説 まったくもってすばらしい。岸田先生の著作をもっと読もうと思いました。正直言ってファンになったと思います。素晴らしく一刀両断(意味不明)。大変判りやすく「なるほど!」と手を打つような論理展開。人間の生殖という本能的な部…

くだらない本/動物化する世界の中で-全共闘以後の日本、ポストモダン以降の批評-/東浩紀/笠井潔

amazon:動物化する世界の中で-全共闘以後の日本、ポストモダン以降の批評- ”妥協のない意見交換を通じて、「動物の時代」という新しい現実に対応する言葉を模索した、知的実践の書。 ” 出版元の集英社新書、既刊情報に書かれていたキャプションがこれだ。な…

都築響一「珍世界紀行-lordsideEUROPE-」

・都築響一「珍世界紀行-lordsideEUROPE-」歯が痛い。相乗効果で夏バテがひどい。こんな時には憂さを晴らすような本を見たいな、と思っていたらシジジイさんから「好きそうな本があるよ」と情報が飛んできた。どれどれと見てみたらほんとに嗜好をズバリ突い…

「ブラックラグーン」三巻

会社に良い様に利用された挙句、見捨てられたために反対に会社を見限りそのまま海賊になった、元商社マンのロック。女拳銃使いの通称「トゥーハンド」レヴィ、仕事にはシビアだが何やら裏のありそうな船長、ハイテクエンジニアでロックと共通項を持っている…

精霊がいっぱい!/ハーリィ・タートルダブ

この世が科学でなく魔法で動いていたらどうだろう? 社会は魔法が生んだ産業に頼っていて、電話も車も、ネットワークですら魔法の力で動いている。しかし我々の技術や文明がその対価である廃棄物に悩まされるのなら、魔法と言う技術もやはりゴミを生み出すの…

姉飼/遠藤徹

amazon:姉飼ホラーが読みたくなったので、書店で探してみた。 境界小説なんて言い方が出てきたのはいつの事なんだろう。確かにSFにせよ何にせよ、ジャンルが定義されづらいものが多くなった。 しかしその境界小説と言う呼び名は新聞やマスコミがローリング…

ウォー・デイ/W・ストリーバー, J・W・クネトカ

amazon:ウォー・デイ私は幼い頃、この世界は滅ぶのだと思っていた。 自分が生まれる前から二つの「陣営」が反目しあう世界。双方が世界を十数回も灰燼に帰する事が出来るほど、恐ろしい兵器を持っている事実。世界を知り始めると、それは笑ってしまうほど空々し…