RE:あらかじめ失われた日記

珈琲や紅茶が好きなおっさんです。でも別に銘柄にはこだわりません、日東紅茶とネスレのポーションで十分。

海の底 /有川浩

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今ごろになって読了。しかし、噂にたがわぬものでした。
オタク向けの読みやすさ判りやすさ、またよく練られた怪獣ネタと展開はなかなか、燃えるものがあります。
キャラクターは明石警備部長と烏丸参事官がいいな。
まあ、この二人のかけ合いは「踊る大走査線」などと言ったところを思い出させるところがあります。パターン踏襲しているから、なのでしょうか。
冬原と夏木の凸凹コンビも熱いものがあるんですが、いかんせん子供たちとからむと魅力は半減します。こちらも理由は上記と同じ。しかし、子供を見つめる目は主婦ならでは、なのかな。
淡い恋愛がらみの青春小説、あとがきにある15少年漂流記はこの辺に残っている気がします。

随所にあるニヤリとさせるポイントは、なかなかのものです。そのせいか脇のキャラクターが目立つポイントが多いため、序盤ストーリーが錯綜するのは致し方ないかもしれません。

これを読むと、平成ガメラの脚本を書いた伊藤和典が戦争映画を怪獣でやりたかったという事を言ってますが、有川浩はパニック映画をリアリスティックに、怪獣ものでやりたかったのかなあ、と思います。