さあ、心の底から。
わたしが写真を撮ってあげよう。
お前の笑顔を、残してあげよう。
みんながその笑顔を見られるようにしてあげる。
今の自分がどうなってしまったのか、わかっていないお前のために。
誰もがその笑顔を、見上げることが出来るようにしてあげる。
時の狭間に消え去ろうとしているお前の笑顔。
みんなから忘れられてしまうさだめのお前。
わたしがいつまでも残してあげる。
そのかけがえのない残照を。
だから、笑えよ。
にじむファインダーに語りかけながら、わたしは白いシーツに包まれたお前に向かってシャッターを切る。