RE:あらかじめ失われた日記

珈琲や紅茶が好きなおっさんです。でも別に銘柄にはこだわりません、日東紅茶とネスレのポーションで十分。

空青く風また強し思い立ち英一蝶の墓に詣でる

このブログも放置して長い事経った。なんかすみません。
読んでいてくださった方々もきっと愛想をつかされているものと思う。
まあ、垂れ流しなのでそんなに読んでいてくださる方も珍しいのではないかなあ、と思うのですが。読んでいてくださる方がいたら、幸甚です。
11月の初日は何の予定もないので、木枯らし1号が吹いたと気象庁が発表した、その風の中をあてどなく目黒駅から歩いてみた。
目黒通りを歩いていると、まず目に付くのが庭園美術館の「1930年代のアール・デコ」の垂れ幕。朝香宮邸はとても好きだし、時代背景も好みではある。
非常に気になってうーむと唸ったけれど、今回はパス。とりあえず八芳園方向へ歩いていくと、田町のNEC本社ビル、通称スパータワーが切妻屋根のような頭を覗かせる。いつ見ても大きなビルだ。
東京メトロ白金台駅の前まで来ると、東京大医科学研究所の旧警視庁のようなシルエットが見えて写真欲が芽生えた。

手前の駅に隠れているけれど、化血棟、などと書かれた棟を見るとちょっとどきどきする。
これを何枚か満足するまで撮り、八芳園前のだらだら坂をゆっくり下った。
明治学園の前まで来ると、何やら応援団とチアガールたちが吹奏楽メンバーと共にマーチングしている。整理の警官が出て桜田通りを一車線つぶしている。それでも風の強い中5メートル四方くらいの大きな応援団旗を立てて歩くのは、ふらふらとして大変そうである。
これについて行くのはまるでハーメルンの笛吹きだなあ、とかもっと俗っぽく言うとちんどん屋について行ってしまう子供だと思いつつ、目的地方向なので一緒に歩いていくことにした。
今回の散歩の目的地は桜田通りの裏手を走る二本榎通りにある、光福寺のゆうれい地蔵と承教寺の英一蝶のお墓である。
が、しかしゆうれい地蔵はその名の通り、どうも見つからないので今回はパスする事にした。
高野山東京別院やまるで教会のような姿の高輪消防署二本榎出張所を眺めながら、高輪小学校の裏手に入っていく。

風は相変わらずだが、日差しが暖かい。味のある裏道を通り、お寺のまわりをぐるっと一周、そしてなかなか立派な外門と、その左右に鎮座する変わった狛犬へたどり着いた。場所の方はGoogleのMAPを置いておく。


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この外門の内側には地域の人たちが住み、生活している。外門から皆出入りし、内門を拝んで行く。眺めていると承教寺はこの場で生活する人たちにとって、空気のように存在しているのかと思える。

狛犬のユーモラスさを楽しんでから、内門へ。門は車止めで閉ざされていたのでその脇から境内へ入っていく。
芝生が植えられた境内は広く、本堂の前にはどなたかを讃える大きな石碑がある。漢文は読めないのでそうではないかな、と適当に当たりをつけて眺めた。

英一蝶の墓を最初に見たとき、横に無縁仏碑などもあって、勘違いをしてわからず見過ごしてしまったのだが、静かな佇まいだった。
気づいてみるとその時だけは風も気にならず、静かだと感じる気配のようだった。