だいたい全自動洗濯機やコーヒーメーカーなどは、主婦の手間を省き、並行作業で家事を済ませるという、大命題を担っているというものだ。
だが、私には昔からの癖がある。いや、実はこれは障害ではないのか、と疑うことすらあった。
意識を飛ばすことだ。
と言っても何かを本当に飛ばすのではなく、何事かをじっと眺めていると精神的に空虚な状態になることがある、ということだ。
起き抜けの茫洋とした気持ちのまま白い壁を眺め続けたり、洗濯機の渦巻くところ、またコーヒーメーカーが落とす滴り、そういうものを飽かず眺めてしまう。まったく主客転倒なのだが、そうしたものを眺めていると心が休まる気がする。
今もコーヒーが落ちる音を聞きながら、ようやくブログに手がついた、というところ。まったく夢のようなことだが、そういうことにこそ、価値があるのだろうな、と思わずにはいられない。
落としたコーヒーは苦く、熱く舌を焼く。大変によろしい。