いつもいつも、掃除洗濯、台所の始末や床掃除、介助をありがとうございます。
一人では何をするにも驚くほどの時間がかかり、下手をすれば転倒、怪我を負うことも心配される身の上では、あなたのお仕事に感謝しかありません。
ですが、何とも申し訳ないことにあなたに二つ要望があります。
一つは、頑張れ、と励ますことです。
わかっているのです。元気に過ごさなければ病は克服できないよ、そのために頑張るんだよ、と言いたいことは。
ですが、その頑張ることができないのです。鬱病を患ってから、自分も他人に頑張れ、ということがどのくらい重荷になることか、わからなかったのですから。ですがそんな内省はともかく。がんばらないと、できることもできなくなるよ、というあなたの一言が、心に刺さるのです。
頑張っても鬱は治りません。薬で寛解させるしかないのです。それだけの薬を飲んでいるのに、まだ私は人に会うことの恐怖、だるくてだるくてベッドから起き上がれないこと、何かが恐ろしくて煌々と灯したライトの下で、膝を抱えて夜明けを待つ事が多々あるのです。
そんな心に、あなたの一言が刺さるのです。
二つ目は、病気に負けるな、と励ますことです。
脊椎の後縦靭帯骨化症を患い、外科手術で病変は取り敢えず鎮まりました。ですがいま、二本の杖を使わないと歩けません。家の中では歩行器を使います。外出はほぼタクシーです。電車に乗ることさえ満足にできないのです。また下肢麻痺のために、お風呂にも満足に入れません。これは後遺症によるものです。骨化症手術は成功しましたが後遺症がこれなのです。普通の人の生活と違う、出歩くのもままならないこの状況なのです。
薬があるんだろう?リハビリすれば治るんだろう?今話題のIPS細胞を使ったら治るんじゃないの?
治療薬はありません。状態を回復させることはリハビリでもできません。IPS?そんなものの実用化を待つうちに死にますね。
だから頑張って。頑張れ頑張れ。
あーもういやだ。鬱と後遺症の苦しみに、頑張れと言ってほしくない。
鬱と後遺症で辛くて起きられないこの苦しさは、いったいどう言えば伝わるのか。それとも伝わることはないのか。
あなたがこのブログを読むことはないでしょう。そして私は次にあった時も愛想笑いであなたの言葉を受け止めるでしょう。だから書きます。
頑張れって言葉が嫌いです。