RE:あらかじめ失われた日記

珈琲や紅茶が好きなおっさんです。でも別に銘柄にはこだわりません、日東紅茶とネスレのポーションで十分。

しゅらしゅら修羅場

もう10年以上昔の話になるから、取り敢えず書いちゃおうか、と思う。

その当時付き合っていた彼女は勝ち気で非常になんというか、嫉妬深い女性だった。で、少しの諍いで会わないというような事もよくあった。

まあ、それはいいんだがある時(私のミスで)大爆発してしまった。メールしても返事も来ない。直接会うのはもちろんできない。会いたくないから文芸サークルにも来るなとメールが来た時、切なさを覚えた気がする。

そんな時その文芸サークルに所属していた女性が私に接近してきた。あれは酔い醒ましに座った渋谷のBunkamuraの地下にある、吹き抜けの席だった。

一人で酔い醒まししたいんだ、と言ってもついてくる彼女に、面倒くさくなり何も言わず、取り敢えず目的地の席についた。何を注文したかは覚えていない。しかし彼女の言葉は覚えている。

 

「好きです。付き合ってください」

まるで芝居みたいに、そのセリフとともに、どしゃぶりの雨が吹き抜けのラウンジに降り込んできた。

 

最初に考えたのが、えっとー…あなた既婚者ですよね。ご主人いらっしゃいますよね。だった。いやまあ既婚者が恋愛しちゃいけないとかは思ってない倫理破綻者の私でも、やはり一瞬目をパチクリさせてしまった。

取り敢えず好意は嬉しいけどあなた既婚者でしょう、お子さんいますでしょう?その辺考えましょうよ、と言ったらだめですか?って涙を流している。

女の涙に弱いんだよおれ…。

それに好きな人いるから付き合えないよ、ダメダメ。そう言うと、そんなに好きなんですか、私,都合のいい女なんですか、とか言ってくる。君告白したばっかりじゃん・・・。

仕方なくその場は保留として取り敢えず帰ることにした。

 

面倒事だよなあ…とおもいながら、やっぱり告白は嬉しいもので、それから続く修羅場に、頭の回らない自分であった。