RE:あらかじめ失われた日記

珈琲や紅茶が好きなおっさんです。でも別に銘柄にはこだわりません、日東紅茶とネスレのポーションで十分。

ブレイブハート

ハイランダーであるウィリアム・ウォレスの話は有名なので前々から探していたのだが、なかなか機会がなくてようやく見ることが出来た。
やっぱりレンタルビデオ屋の会員カードは大切にするべきだ。

メル・ギブソンが出るシリアス映画は大作なのに売れないって言うのが、自分としては昔から定説なんだけど、監督として撮る様になったのはいつ頃からなんだろう。
調べてみたら「顔のない天使」なんだな。「ウォーターワールド」は撮ってないのか。てっきり監督してるからあんなに大コケしたのかと思っていた。

しかし「ポカホンタス」といい「パトリオット」と言い、「パッション」に到るこの史実系の作品の系譜と言うのは、どうしてどれもこんな味わいの作品ばかりなんだろう。どれも脂っぽい渇望とシトラス系の思想の板ばさみ、って感じがする。ナルシズムがいっぱい。
いや、パッションはちょっと違うかもしれないけど、少なくともこの「ブレイブハート」はそうだった。
まあ独立とか思想に関する行動だからだろうな。
作中で野蛮人と表現されるけど、まあこの主人公、知的で考えて行動をする割には荒っぽい。土地柄ってこともあるのだろう。そんな土地だったのかスコットランド
でも決断がすばやい、仲間思いでしかも頭もいい。メル・ギブソンの少し情けない表情(コミカルとも言う)が、こういう知性ある野蛮人を演出している。
物語中盤からは、表情が鋭くなって決意が読み取れる勢いが加わると、物語も加速する。

しかし本当にこの話がいいのは、発端とウィリアム・ウォレスの奥さんが殺害されてしまうシーン、そして夢で再会するシーン。
あくまでも自分基準ですが。
特に夢で奥さんと再会するシーンはジンとします。現実に戻れと促されるのに、判ってるけどそばにいたいとひざまづくその雨の森のシーンはとても幻想的です。
発端のお父さんとお兄さんが戦死して帰るシーンは悲しい。泣いてしまった。
最近涙もろい。

合戦シーンはさすがハリウッド映画と思うが、これもまたハリウッドテイストを抜け出そうとしてあがいた結果の作品、と思われた。言ってみれば「ラスト・サムライ」と同じなのだ。形式的な戦闘。
ラストの剣を投擲するシーンって伏線だったんだけど、蛇足の感が否めないな。