RE:あらかじめ失われた日記

珈琲や紅茶が好きなおっさんです。でも別に銘柄にはこだわりません、日東紅茶とネスレのポーションで十分。

『CLANNAD』(クラナド)は人生

オタクの、それもちょっとディープな人たちの間では良く聞かれるギャグがある。
それがこれ。
ちなみにその後にはこう続く。「CLANNADは人生Fateは文学、EVAは聖典
CLANNADクラナド)、Fate(フェイト)は共にもともとゲームとして発売されたもの。
EVAは新世紀エヴァンゲリオンのことである。

いや、ギャグかどうかはわからない。ネットのどこで出てきたものか知らないけれど、本人は意外と本気だったのかも知れない。
バカを言うのも休み休みと思わなくもないが、見てしまうと確かにCLANNADは人生と言いたいのもわからない事ではない、と思った。

私がクラナドを知ったのはゲームからだが、そのストーリーはほとんど気にしなかった。
興味がなかったせいなのだが、去年アニメ化されたものを観て、ようやく知ったエピソードがツボだった事にきづいた。
何でも観ておくものだ。

くだくだしく書くつもりはないので、それが何であるのかを知りたい方は後に示すURLからお調べいただければと思う。
言ってしまえばマルチエンディング形式の恋愛アドベンチャー、それだけのものである。
しかし、そのエピソード一つひとつに、泣かせるところを配している。
ハリウッド的お涙ちょうだいだと言ってしまえばそれまでなのだが、まあ大上段に振りかぶったところのない市井の人々が主人公というところで救われているのではないか。
もちろんオタクマインドをくすぐるガジェットもあるし、それなりのものだ。

この登場人物のうち、伊吹風子のエピソードがたいへんに心を打つ。
事故で植物状態になりながら、自身の姉の結婚式をどうしても行いたいために分身として現れた少女。
結婚式の準備が進めば進むほど人々の記憶から忘れられていき、最後にはそこにいるにもかかわらず、親しかった人たちの視界からも消えてしまう。

もちろんこの手のお話はハッピーエンドで終わる。
ゲームはともかく、アニメでは救われるようなエンディングで大変に良かった。
忘れられていく、という寂しさを良くあらわしたストーリーだな、とすなおに感心できたエピソードだった。
それ以外のキャラクターの肉付け、エピソードも身近に感じられる爽やかなものが多く、よくできたものと思う。


CLANNAD./出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』