などというキャッチコピーは、もう聞くことは出来ないのかもしれない。どこへも行けないからだ。
新型コロナという見えない怪物との戦いを制させねば、人類はズルズルと負けを喫し続け、泥沼の戦争ののちに、悪夢のような手段で倒そうとするか、自暴自棄となってしまうか、そのどちらかであろう。
だいたい、コロナが武漢で蔓延し始めた時に、我々はこれが生物兵器なら、危険なウィルスだとして中国政府は”誤って”武漢を核で消毒するかもね、などと軽口を叩いていた。
今となっては中国政府も全容をつかめなかった事がわかっているし、そのような過ちを取らなかったことに、胸をなでおろす気持ちだ。
しかしそれは正しかったのだろうか?
ある意味で間違いではなかったかもしれない、あの時初手からこの蔓延を予想できたなら、それは有用だったかもしれない。まあ、それは想像に過ぎない。
とにかく、人類はこのパンデミックを予想すべきだった。WHOはもっと人心を煽り、危険であることを訴えるべきだったのだ。そして危険な土地から同胞を守る政府首脳が対策本部を設け一番に想定すべきだった。対策本部はあらゆるシナリオを用意すべきだったのだ。そう、剣術でいう後の先、というやつだ。ウィルスの全容を見定め難かったために、先手は取られた。だから中国も武漢封じ込めに失敗した。私はそう確信している。
今も政府首脳はコロナを低く見ている。PCR検査で何がわかるわけではない。それは感染しているかしていないかだけだし、陰性であってもクラスタ感染はいつでもどこでもおこりうる。
だいたい人の接触を8割減にしろ、などというのはあまりに荒唐無稽すぎる。配送の、物流の、公的な窓口の、病院での、あらゆる接触を遮断することはできない。一旦発病したら、軽症者でも劇症化をすることを恐れなければならない。しかも劇症化のキーになるものが今の所基礎疾患にあるか、体力がないお年寄りが罹るか、とかコロナでの炎症まみれになっているのかもわからない。実際若い人でも、目立った基礎疾患がなくても死んでいるのだ。
インフルエンザと同じで、体中をコロナウィルスがめぐるようなことになれば、各部で炎症が起こる。その後は脳症、肺炎、各臓器が炎症を起こし、心肺機能が衰え、多臓器不全に陥り、生かすこともできなくなる。
伝説巨神イデオンの、ジョーダン・ベスのセルフが蘇る…
「コスモ…俺達は、やる事が全て遅かったのかもしれん……」
いや、まだ人類には時間が残されている。そのはずなのだ。だがその時計はいつ0を指すかわからない。
人類のこれからに幸せあらんことを。