2026-01-01から1年間の記事一覧
いかづちの響き渡るや雨音の激しさに耐え夏の曇天 道端の水たまりはね去る車へと憎しみの目を向けた雨 血圧を記録する我ルーティンの病状少しく悪化し続け 短歌(うた)詠みてあれもこれもと願う間も止まらぬ我の心臓が鳴る 制限の水飲むことを楽しみに今日…
「入梅」を告げるテレビがひさびさに役に立ったか午後のコーヒー この雨のやむを知らずにただ深く世界沈める途中であるか 窓を打ち篠突く雨よ連れ去れよ私のなかの涙もろとも
アサイラム=閉鎖病棟 私の住まう老人ホームは、開放されている。遠方から面会に来る家族もいる。時にむちゃを言う(どんな無茶かは知らない)親族もいるらしいが、おおむね職員とは友好的であると言える。 だが入居している方は、大きな規制を敷かれている…
連作:我はまったく相反せしもの 一、我縛る鎖のごとき言葉あり郷に入っては郷に従え 二、ゴミ分けるルールの前で立ち尽くす外つ国の人 郷に従え 三、同じ事言ってはみたが抑々と見ればそれぞれ真反対なり *世界の不協和音/室内の闇、あるいは日常 おのが…
以前、駅で電車待ちしていたら、年の頃なら40くらいか、シックでありながら要所にメリハリのある服を着た何処かのマダムと思しき人に、次に来る電車を尋ねられた。 ホームで待っている他の女性や駅員も手近にいたし、ちょうど発車案内板の下でもあるのになぜ…
一、老人は ここを楽土と 言うけれど 我の自由は 削られてゆく 二、出来ますと 訴え出て(いでて)も 拒絶され 丸薬口に 流し込まれり 三、不自由を 思うことこそ 自由かと くだらぬ思考が 指痺れさせ 四、薬にて もたらされたる しびれなり 何のためだと 聞…
地中海肌焼く日差しの中に建つ色ガラスさえ暗く見えをり 荘重な修道院に踏み入れば陽射しの向こうに招くかドアよ 棺にて今も眠るやパレルモの 幼女の笑みは硝子の反射 本棚の前でなにげに図録見る聖女の遺骸が笑み浮かべてた
立ち食いの親父振るダボその所作がまるで手慣れたバーテンのよう 紅茶淹れ蒸らし時間を数えつつティーバッグすらなれなれ美味く 換気扇消して窓辺に立ち尽くしあなたの乗った飛行機おもう 連作:訪問看護の医者に浮かぶ三首 一、我が痛み鼻で嗤(わら)いし…
記憶というのはいつも曖昧である。 フォーカスが合った記憶は、そこばかりが目立ってその前後が削除されたり誤認されたりで意味不明になりがちだし、フォーカス具合ではその記憶者の都合が良いように改竄、言ってみりゃ美化される。 つまり記憶というものは…
一.一首詠む左目閉じる癖ありき淹れたコーヒー濁り膜張る 二.また今日も疼いて左目つぶらえる憎らしいほど花がみだれる 三.虹色の涙あふれる左目は我がなげうつ一陣の風 四.吹き抜けて色なき部屋にただひとつ 打つ鼓動こそ次の毒の芽 五.斜陽差すコーヒ…
映画見て脳裏離れぬセリフ有り「心が冷めた」が腑に落ちる午後 ため息一つそして舞い落つわが心の白き部屋彼女の写真 揮発するガスに涙を奪われてキシキシねばる喉塞ぎゆく
一、わだつみの底に死したるクトゥルー 指振り立てば人は狂わん 二、荒海が一瞬波濤を留めおり 深海よりの使者今現れん 三、墓場にて死体むさぼる屍食鬼が 嗤うは昨日の友だったもの 四、事故車にてバックミラーに映るのは 深き者共それが我が名と 五、無影…
一,彼女は鋳物の土産を「ほらよ」とくれた そんな笑顔も遠くなりにき 二,本棚の狭き隙間にスラリと消えた どこへ行ったの彼女の姿 三,足元にカランと鋳づる像見つけ ホッとするより肩の荷おりた 四,もはや失われた彼女のことを われは問わぬと鋳像に言っ…
遠き地に 汽笛を聞きて 独り立つ 今は会えない あなた思いて 遠き国の 噴煙抜けて 届く陽が 君の笑顔を 淡く照らした 今逃げろ 叫ぶラジオを 海に投げ 君と並んで 夕日を見てた 指先に 残るあなたの その柔き 疑へば見よ 窓は灰汁色 轟きは 滝のごとくに 迫…
一.つま先で立ってみせたるリハビリの成果なんぞはこの程度なり 二.このくらい平気でできるとつま先で 立ってみせたるリハビリむなし 三.出来ましたねと療法士はいうけれど 出来ないことがはずかしいのだ 四.穏やかな部屋の空気を吸い込んで つかれはて…
前から観たいなーと思ってたのを思いがけないチャンスで今日見た。 感想:役所広司やっぱカッコいいな。いつも笑んでいるおっさん、という感じだったけどこういうのも味がある。立派な士魂を感じた。 稲垣吾郎はこういうキチガイを演じるとうまいな、来るオ…
一、手つなぎを冷めた顔して「恥ずかしい」そう言われてはうなだれるボク 二、買い物も誰が見てるかわからない三歩離れて歩きましょうね 三、「愛してる」その裏腹が吹き抜ける胸の風穴残響音する
私の生活は、本当に苦痛な面と心地よい時間が混在する。 私は身障者なので自分の居室からフラフラと出歩くこともなく、他の入居者と心理的物理的にぶつかることもないので、職員の苦にはならず邪魔と思われることもない(はずだ)。もちろん職員にはいらぬ面…
結論から言うと、酷評しろ、と命じると無茶苦茶酷評される。 驚いた。 そのうえすごい真正面からの批評なのでぐうの音も出ない。 ここはこう!と指摘されると、ああ確かに!と思い当たるんですわこれが。 すごいなAI。見直したよ。 >今さら「五七五」のリズ…
血肉したたる奥歯むしり抜き 覚えておけよと我に告ぐなり AIとみっちり短歌講評してると面白いな。ほんとに何度斬り殺されたことか。 時間もかからず、痛いことを突いてくる。これなんか、単に抜歯がこわかったよ~という短歌だったのに。なんかおどろおどろ…
いい女にはすでに男がいるものだ。 それを承知でアタックするもよし、意気消沈して引き下がるもまたやるかたなし。 そんな事にはかかずらあっていられぬ、とするもよし。 私も以前には承知でアタックして結ばれた、と思うことも数度あったが⋯。 まあ昔の話だ…
かの時に我がとらざりし分去れの片への道はいづこ行きけむ 上皇后美智子さまが1995年(平成7年)の文化の日に寄せられた「道」という題の御歌(おんうた) 拙ブログに上皇后美智子様の御歌を持ち出すなど、不敬の極みであると思うのだが、とても素晴らしい御…
昔ゲームの仕事してた時、制作進行とかシナリオ作成を担当してたのだが、スケジュールが厳しすぎ、まるきり初心者でつらくてチック症じみたまぶたの震えや感じていたら、左目のまぶたが開かなくなった。 ゲーム進行といっしょにシナリオ書いているといつの間…
音もなし星の広がるくらやみへ月がぽっかり手招いている 人類は虚空を飛んでまた月へ渡れるときがやってきたのだ ふたたびの月に届いた我らならもっと遠くを眺めるだろう ふと思いついて、AIに短歌批評をやらせてみたら驚いた。 すっごいポジティブで、けな…
ひどいことして、自分から関係を絶った人たちに、いったい何と謝ればよいのか?ずっとそれを考えていた。 それももう二十数年前のこと。茫漠とした時の流れ。 きっとみんな忘れてしまったよね。張本人のわたしが忘れるほどなのだから。 窓辺を春の雨が叩く。…
頂いたお菓子である!さすがはS氏 お菓子が食べたい、と念仏のごとく唱えていたら、到来物のギフトが届きました。 うれしい!これで少し、の欲望が満たされますわぁ~ ほんとにね、有り難いことですよ、S氏ありがとう。持つべきものは友達と真心。 お腹が満…
「釈迦に説法(しゃかにせっぽう)」は、その道の達人や専門家に、その分野の知識を教える愚かさを表すことわざ。無意味な行為や、謙遜の姿勢を示すビジネスのクッション言葉として使われるらしい。類語に「孔子に悟道」「宗論はどちら勝っても釈迦の恥」が…
ダークテイスト! コーヒーがほしいと愁訴してたら、贈っていただきました。 ありがたいなあ、ほんとありがたい。 ギフトしていただけることが、そのような人を知ることが、嬉しくまた涙するのです。 何事も至らぬと思ふ我なれどギフトくださる方のうれしき …
ぼくたちは何だかすべて忘れるね今は心に寂寞しかない いつの間に付き合った年月よりも別れてからの年月が越え 無理矢理に心ねじ伏せもれいでた嘆息を飲み落ち着ける我 つまらない人生だとは思わない 思う通りにならないだけで 恵まれていたか己に問いかける…
10年、15年。 それだけあれば大したことがなければ忘れてしまう。忘れようと努力しなくても。 過去はただ立ち止まって、進んでいく自分を眺めている。それは抜け殻のようなものだ。その記憶は雲散霧消していく。 未だに毎朝毎晩、ふと考えると彼女のこと…