RE:あらかじめ失われた日記

珈琲や紅茶が好きなおっさんです。でも別に銘柄にはこだわりません、日東紅茶とネスレのポーションで十分。

破長

日常詠-青空に逃げる-

波の静かにふわふわと浮かぶ私からめ取るジャイアントケルプ Twitterはどちらかと言えば好みだが 改悪に耐えるほどではないよ 愚かしく問題点を取り上げて 政治を語る奴の多さよ

日常詠-到来ものには福がある-

風呂上がりやれ嬉しやな到来の 贈り物には福しかござらぬ コーヒーをいただき感謝示したく カーテン開けて頭(こうべ)を垂れる 彼方(あなた)にもいつか御返し致したく 心温もるこのギフテッド コーヒーに合うはカロリーメイトなり 旨し旨しと涙こぼれる

傷病詠-歩くのは面倒だ-

リハビリを続けてもはや四年過ぎ 足よ歩めよ地を踏みしめよ 我が住処歩行訓練したくとも 廊下を歩む許可さえ出ずに 一歩また一歩歩むと忍び寄る 疲れを無視し歩みを止めず いつか行く独り暮らしの生活に 歩み出したい杖を手取りて

日常詠-斯くも寂しい夜三首-

近頃の夜は気づけば爪をかみせめて会おうと言う人あれば 暗き夜せめて誰かとあけすけな性を語れば元気も湧こう 秋らしく宵の早まる夕暮れに思ったほどの癒しはないか

日常詠-視線の先のもの-

コロナにはワクチン打つと決めており リハビリ休みしばらく眠る 暫くと握るその手を眺むれば ゴム手袋の冷たい指の 録画せし映画しばらく眺めれば 手に汗握り二時間過ぎる

日常詠-きみと夢と夜-

笑って相づちしてみても 君の言葉を聞き流す霧雨の夜 思い出す君の笑顔が日々褪せて夢と成り行くノスタルジアよ 新しい恋を望んだ愚かとは鎖引きずる夢のようだと

日常詠-神経を逆撫でされる日-

来年の五月(さつき)頃までこの施設 引っ越せないと宣告をされ 同居する老人たちの繰り言に 付き合いきれず口つぐむ我 宵の口18時なのに老人は さよならの代わりオヤスミナサイ

日常詠-短歌欄ニ投稿ス-

短歌をば投稿欄に送りつむ 選者の心に届かば良いが 明日の朝天気崩れる予報とは カーテンめくり夜明けを待つ目 腹の減るものばかり思い出す私の記憶役に立たずに

日常詠-水滴のみが穴穿つ-

雨垂れの飛沫(しぶき)聞きつつ黙然と 我の心に穴穿つ音 彼女まで新幹線で三時間 言葉は要らずキップこそ買え 会いたしと思う人こそ遠く在り ただ一目こそ空に飛ばして

日常詠-言葉の気持ち-

泣き言を言えたら良いと思うけど きっと誰にも届かぬ言葉 明日にはもっと短歌(うた)詠み造り出す 自分の言葉もっと鋭く 編み上げた言葉詠みつつ身をよじる 短歌(うた)を作ろう涙しながら

日常詠-深夜密かに-

本日も波風たたず日は暮れて 熱きカフェラテ飲んで終えれり きみ淹れしコーヒーをいま思い出す 冷めて悲しと泣いたあの日を

日常詠-BGVというのも古いけど-

短歌(うた)のこと考えている暗き部屋 ニュース流れるテレビ眺める 思いつき冷めたコーヒー口含む その着想を歯噛み詠みとく

日常詠-時の流れの過ぎ行くままに-

懐かしいメロディ口の端に登り 思い出すのは少年の日 記憶あらば我まさにいまここにあり世界に刻め我の記憶を 茶をこぼし慌てて拭うメモにあり 短歌(うた)詠む気持ち想像の夢 泣き笑い今日も肌身はおぞましく 深爪悔いてかきむしりたり

日常詠-深夜のコーヒー-

カフェオレかストレートかと思案して ひととき深くため息をつく 蝉時雨じみた唸りで耳塞ぐ まるでこの世に我独りのみ もうすぐに今日と明日が入れ替わる その境目も目は冴えて今

日常詠-我が胸掻きむしる思い出-

わたしが彼女の重荷になったのは思い至らぬせいであろうか 誰かを好きになればつい思い出す彼女の言葉その面影を あの子のキスを受け止めて走れたらきっと別れもなかつたでしやう

日常詠-孤独癖-

唐突に聞こえて来(きた)る蝉の声 秋の始まる黄昏暮れる クーラーを忘れてしばし暑熱なく 今日思い知る夏の終わりを 引っ越しは夏にしたくはないものと 部屋探しつつ明日は晴れるか 言うなれば孤独は厭うものでなく 我の心のままに歩むと

日常詠-胸いっぱいに-

好きな人がそっと渡したチョコレート 香り嗅ぐたび嬉しくなって 貰い物は人にバレてはいけないと 隠して渡さる施設腹立ち プレッツェル歯触りの良き旨しもの それ食べる自由すら我なし

日常詠-車椅子からみる景色-

歩くのは億劫なのに歩きたい 車椅子から世界は見えぬ スマホの充電をすればまた今日も 忘れかけてる明日は雨降る 引っ越しを考え条件検索し まだ半年はできぬと気づく 早くこの施設から脱け出して 一人の暮らしをしたいもの

日常詠-暑さ冷めやらず-

晩夏でも未だ暑さに苦しむと ニュース報じる日の沈まずに 血のにじむ指を眺めて舌打ちす わかっていても噛まざる爪よ 我が短歌(うた)を読みし人にも問いたいと 思えどこわしその感想が

官能詠-ゆめまぼろしの-

横たわり彼女の流す涙みる 悲しと問えば眠いだけよと もっとキスしたかったと呟けば 彼女袖引く暗き路地裏 品川へ歩むあいだの二時間を 電話の彼女声弾む夜

日常詠-秋の長雨雷の鳴る-

カーテンで窓辺遮る遠きより 街に響いた雷の音 萎えた足引きずり気味の歩き方 我が身に思う落雷せよと 屋根叩く雨音を聞く暗き部屋 我が手むなしく虚空を掴む

日常詠-雨振り込めて-

千秋の思いで待った甘味でも 雀のなみだ一瞬で尽き 引っ越しを夢見てたまらずネット見る あと一年を如何に堪えるか 街灯にかかる雨粒匂い噎せ 雲が切れれば明日は晴れるか

日常詠-夜空をを眺め-

教えられ中秋と知る宵の月 雲無き空にまぶしく照りて 天空の月照らす空雲はなく 晩夏の風は未だに暑し 念仏をBGMに本を読む 般若心経心洗わる

官能詠-冷めやらぬ気が眠りを拒む-

画面越し揺れる乳房に奪われた 我が視線ならそこにもあるぞ 寂しさを痛みで語れ我が胸の 傷をつらぬく記憶のきみよ 揉みしだき肩を落としてストレッチ いつしか息のあららぐきみよ

日常詠-部屋を紫煙で満たしたい-

紫煙吐き咥えた葉巻ニコチンの 苦味寂しく思い出しては カフェオレを啜りながらの作歌には 夜のしじまに答え探して コーヒーに葉巻の香り混ぜこんで 嗜む思い幻影を追う きっと今俺はひどい表情で 葉巻を吸いたい呟いている

官能詠-指先さわる-

肌すべる指先に心乱されて 荒らぐ息さえ我慢もできず きみの背を眺め触れたる双丘は 肌の張り良し手触りの良し 我跨ぎ汗にまみれて胸を張る なめてと囁く喘ぎ声する

日常詠-やれうれしやな-

うれしきに事寄せて詠む: 頂いた短歌(うた)のしらべを口ずさみ 我がなりに詠む褒められうれし 喜ばる短歌(うた)の少なし日常に やれ嬉しやと心のはしゃぐ

日常詠-万能感は落とし穴-

手の震え押さえてスプーン拭いあげ コーヒーの染む布巾にらめば 難題を解決致し我が手腕 誇りたいけど彼の人居らず ドーナツを食べたしと思う宵の口 甘く優しい思い出を今

日常詠-気になれど止まず-

もの思う鋭き痛みにしかめ面 腹立たしきは爪を噛む癖 遠雷の微かな響き耳にして誰思わざる去り行く季節 社会より切り離される恐怖かな インターネットの指し行く時代

気象詠-続、列島台風縦断ス-

空唸り強くなりまた弱くなり勢いを増す台風の日よ 地図の上台風じわりと動きつつ予報円より雲流れたり 屋根のうえ鳴り響くのは雨音の飛沫(しぶき)跳ね散るスタッカートか 台風の非日常たる警報を横目にしつつ虫歯が痛む