RE:あらかじめ失われた日記

珈琲や紅茶が好きなおっさんです。でも別に銘柄にはこだわりません、日東紅茶とネスレのポーションで十分。

傾城の恋は

私の知りあいにロマンチストがいる。
恋愛はどんな場でも成立し、たとえ相手が風俗嬢でも、二人が通じ合えば恋愛できるという。
私は風俗が嫌いだ。そう言うと感情的に、職業蔑視と言いかねない勢いでそれは出会いなのだと言われる。
このあいだ確かにそうです、と首肯して言ってあげた。

片翼だけの天使」っていう生島治郎の自伝的小説もある。ソープ嬢で韓国人の女性に惚れて奥さんに迎える話だ。
そう言う女性たちとだって恋愛はできるだろう。それは否定しない。
けれど、その前にそれは仕事だ。マックのおねえちゃんだって、ナンパされても笑ってあしらうんだよ。
ましてや、彼女らは疑似恋愛のために働いている。
あなたが言うことはわかる。けれど、それは職業がいけないのじゃなく、出会う場がいけないのだと思う。
そして私がよく覚えている決まり文句を紹介した。

「傾城の恋はまことの恋にあらず。金もってこいが本当(ほん)のこいなり」

山田風太郎の小説でこれを読んで、風俗に行く時の虚しさが初めてわかったように思う。