リハビリも佳境に入ると、病院外の道を歩くというパターンがやってきた。まあ雨の日などは室内になるのだが、朝方降って乾ききらないうちに歩く事があった。
これがつらい。出来ること、歩き終わることを想像しないと、歩けない。自分の体が思うようにならない事が、一番苦痛だった。
しかし毎日やっているとそういう意識も薄れ、さあさあ、歩きましょうかね。という気分になってくる。すぐ消えるんだけど。
リハビリしていると、研修生の子が来て、モルモットじゃないけれど、いろいろと先輩PTとやり取りしながら、今までの流れを掴まさせる教習がある。幼い顔していろいろ勉強しているのを見ると、微笑ましい気がして、身体触っていいですよ、とかこのポーズは厳しいとかいろいろと説明したりした。
そのうちの一人の女の子が親しくしてくれるのが、うれしかったな。
そうこうしているうちにクリスマスが来て、お正月が来て、一月も末になった。病院付きケアマネージャの人に、退院予定って何時くらいになるんでしょうと、聞いてみた。
「ああ、あれ?ドクターに聞いてみますね」
院内ではスマホなど使い放題なので、その場で電話して聞いてもらった。その結果二月?前の週でもあとでもいいよ、とのこと。
なんかすごくアバウトだな。
取り敢えず二月の十日にしてもらう。4ヶ月ぶりの我が家だ。
だが退院直前までリハビリは続く。
そしてこれは書くまいか悩んだんだが、看護師の中でガタイのいい人がいて、よく私の面倒を見てくれる。他の人に対してはそんなでもない。LGBTの人かなーでも聞くのは失礼だ。というわけでなんか、謎が増えた気持ちであった。
病院は不可思議なところだ。
次回、帰ってきてから問題が増えた。君は刻の涙を見る。