ようやくロジャー・ゼラズニイの「影のジャック」を再入手出来た。
この本は読んだ時、幼かったせいかよく理解出来なかった。そもそも自分の読解力に自信を持っていたわけはないので、探るように読んだのだが、その読み方は正しかったようだ。
なぜなら今も探るように読み、その内容に酔いしれる事ができたからだ。
陽光界と暗黒界に分かたれた世界は、何もかもが正しく、そして間違っている。陽光界の地下深くには大機械、世界機械と呼ばれるものが世界の正しい運行を司っているし、暗黒界には魔法が闊歩し、グリブ(推屍穴)がある。
地球は回転せず、人々は陽光、薄暮、そして暗黒界に分かれて、暗黒界人は魔法を操り、陽光界人は科学を信奉する。
高い岩山で薄く朝日を浴びながら、まるでスフィンクスのように岩と同化しつつ、モーニングスターは世界の夜明けを待っている。なんと混乱した物語だろう。それでもジャックという主人公のために物語は崩壊しないで済んでいる。
何年経っても、名作はその輝きを失うことはない。