RE:あらかじめ失われた日記

珈琲や紅茶が好きなおっさんです。でも別に銘柄にはこだわりません、日東紅茶とネスレのポーションで十分。

クワイエット・プレイス (字幕版)

アマプラ観放題でクワイエット・プレイス (字幕版)を観た。

 

音に反応する怪物が全世界の人類を殺して回るなか、ろうあ者の家族が山に囲まれた大きな農家に潜んで、怯えながら暮らすという、割とデッドエンドな感じの出だしなのだ。

靴音が響くといけないという理由からか、父母と娘息子という4人は靴を履かずに移動する。そして音の立ちそうな砂利道や線路は砂が撒いてあって、音をさせない工夫がいくつも描かれている。ボーッと見てたので終盤までわからなかった。

そしてこの家族、全員がろうあ者だと思ってたら、実は娘のみがろうあで、他の三人は娘と会話するために手話を覚えていたのだが、音を立てないという利点で日常も手話だったのだ。

この設定も中盤以降にやっと分かって、なるほどな、と思わされた。ただ、そこに至るまでが結構辛い。じっくりと観なくてはならないので、そこに着くまでダレるのだ。

が、家族の情愛は余すところなく描かれている。家族の温かみというのが、丁寧に描かれているのは良かった。作劇もほんとのホラーなので、好きな人にはたまらないだろう。BGMも控えめだし、音が聞こえないというのを示すためにほとんど自然音だというのもよかった。

そして実は親は喋れるというのは新鮮味があった。そして死人もほぼ出ないので血がだめな人も楽しめるのではないだろうか。終盤に出てくる老夫婦、なのかな、この二人が唐突に出てきて唐突に殺されるのだが、話の転換には良かったのではなかろうか。何のために出てきたかはわからないが、そういう役割だと思えばどうということはない。

他の驚きポイントとしては、奥さんは妊娠中で、出産まで後三週間ほどというのが示されるのだが、ついに怪物に隠れ家を見つけられてしまい、そんな状況下で切迫早産になってしまうのだ。うめき声すら挙げられない状態で出産するとか、胆の座り方が違う。常人には無理じゃないのか、という感想しか無い。

子供と奥さんのいる隠れ家から怪物を振り返らせるために、父親は最後の叫びを上げる。すごみのあるシーンだ。子供たちを信じた父親も素晴らしい。

しかし最後に父親の復讐に奥さんがポンプショットガンをガシャって弾込めるって…何が始まるんです?

このシチュエーションで終わるのはずるい。何だよ続編狙いかよって気持ちになる。尺の問題も有るんだろうけど…それはまあいいとして、とにかくよく出来たホラー映画で有る。ちなみに爽快感はない。

アマプラに入ってたら観て損はない。今なら観放題。