RE:あらかじめ失われた日記

珈琲や紅茶が好きなおっさんです。でも別に銘柄にはこだわりません、日東紅茶とネスレのポーションで十分。

一人暮らしのアパートで 3

なんかタイトルが行ったり来たりしているのですが、気にしない方向で。

 

なんだかんだと有る生活で、アパートには帰らない事も多かったが、一人暮らしは気楽で結構楽しく過ごしていた。友だちを招いて馬鹿話に興じながらワインを飲んだり、このアパートから夏のバカンスに出かけたり。

それでも実弟の死はフラッシュバックして心が傷んだし、初めて付き合った彼女にフラレて、自棄酒を飲んだことも有った。辛い時は会社に泊まっているのに泣けて仕方がない時も有った。

昭和の終わり、大喪の礼をTVで見たのもこのアパートでのことだった。

 

けっこう頑張ってファミコンゲームの開発もやっていたつもりなのだけど、何事も禍福は糾える縄の如し、という言葉通り。なんか記憶に上っては沈んだりする事ども。

ゲーム制作がうまく行かず、どうしようもなく鬱になって、夜中にアパートから立ち去って、入水して死のうと思っていたこと。それがもとで会社を辞め、ゲームライターの頃に関係があった小さな広告宣伝社に入ったら、めちゃくちゃ仕事が忙しくて。残業して終電で帰ることはザラ、泊まりで仕事することも多く、友達から体調を心配されるありさま。結局そこも長続きはせず、非常に迷惑をかけて辞めてしまった。

その後はアルバイトをいくつかしながら、またライターをしようと思っていた。

ああ、時系列がもう曖昧で、自分でもよくわからない。

 

仕事もうまく行かず、心も落ち込んだまま、ついにアパートを引き払ったのは、数えて三年ほどしてからだったろうか。いわゆる都落ち、とはこのことかと思った。

そうして私の一人暮らしは終わり、また恋の季節がやってきた。ここから先は家族の物語になるのだが、それなどはまた後ほど。