RE:あらかじめ失われた日記

珈琲や紅茶が好きなおっさんです。でも別に銘柄にはこだわりません、日東紅茶とネスレのポーションで十分。

1988年

1988年、私は23歳だった。

その一昨年、ライターとして白夜書房のホットミルクや桜桃書房のエロ漫画アンソロジーで仕事をしていた私は、所属していた編プロから紹介されて、ゲームライターとして仕事をすることになった。が、ファミコン雑誌”ハイスコア”との2足のわらじはなかなか大変で、まもなくゲーム雑誌一辺倒になる。

86年あたりだったと思うが、色々とあって編集者には入らないがライターとして業務を行うという完全なライターになった。で、少し慣れて来た頃に88年ドラクエ3が発売日が決まったという風文が来た。実はハイスコアはエニックスとは犬猿の仲で、まあ禁止事項をハイスコアが勝手に破ったからなのだが、今回も懲りずに攻略本を最速で出すつもりなのだった。

そこでヨドバシカメラの前にライターが集められ、シャッターが開くと同時に買うメンバーが一人一本なので3人で一本づつ購入し、仮眠室に設置したTVに運ばれた。そして私とその他一人が早速攻略を始めた。だが私以外はRPGの早解きは慣れていたが、なんで私が攻略メンバーに選ばれたかはわからない。

まあ取り敢えず始めてみたが、早解きが難しいことに気づいた。なにしろとにかくトライアンドエラーで進むしかないし、ちょっとしたイベントでもメモしておかないと他の二人もメモし忘れているかもしれないのだ。しかも休む時間がない…社長から差し入れが入ったりしたけど、食べてゲーム、トイレ行ってゲームなのである。

本当に三日三晩不眠不休でクリアしたのだった。

 

そして攻略本発刊…かと思ったらスクエアから念押しの電話が入って、結局元の画像は一切使わず、攻略本と言えるのかどうかという本が出た。

88年、どっとはらい